三十部「クッション」

多種多様な人々に寄り添ってる場所
sanaka/佐藤好縈 2024.04.17
誰でも

エキゾチックジャパンは、お見事終了。なんか、凄かった。カフェ・ゲストハウス・シェアハウス・ギャラリーの機能をもつたみのパワーの最大出力に近い状態を体験ができたんじゃないか?と思い始めている。

カフェは、たみで働いている人たちのひとりひとりの役割がいい流れで回っている。常連のお爺ちゃんがサツマイモを蒸して持ってきたものを分けっこしたり、勤務三回目の新人さんによる練習コーヒーを味わえたり、ゲストハウスの宿泊者が朝食を食べに訪れたり、韓国からスーパーカブで日本横断するゲストと出会ったり、内と外が溶け合って馴染んでいく光景をみれた。運がいい。

シェアハウスに住む人たちは、たみで巻き起るあれやこれを愉しんでいる。展示の最終日前夜、鳥取に引っ越してきたばかりの住民さんは事故をしてしまった。オーナーの蛇谷さんや他の住民さんが対応をして病院に運んで精密検査をした様子だった。もしこれがマンションに一人で住んでいたかと思うと不幸中の幸いとしか言いようはない。ずっと心配をしていたのだけど、ちゃんと大怪我なのに気が滅入っている姿は見せず、打ち上げのとき手づくりケーキをつくってくれて、非常に美味しかった。運はある。

たみ周辺にある映画館のjig theaterや本屋の気水空港が在る影響で、多くの方々がカフェやギャラリーに足を運んでくれた。三宅唱さんの新作映画「夜明けのすべて」のトークイベントと重なっていた。運がいい。

たみは、多種多様な人々のクッションみたいな場所だった。クッションの最大出力は人にそっと寄り添って発揮されるわけで使ったり使わなかったり、とにかく自由が在る。

なにはともあれずっと天気が良かった。運が良かった。

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