二十九部「アンチマス派」

地球上の質量変化は、ゼロ。
sanaka/佐藤好縈 2024.04.15
誰でも

この世に無い言葉、アンチマス。エキゾチックジャパンの設営の時、がふさんから生まれた。

わたしは十五年前、「サスティナブル」って言葉と出会い、意識するようになって現在に至るまで根本的な動きは変わらない。その間、世界的な動きによってその言葉は周知されていった。さまざまな形で表出されていって、さまざまな解釈や態度が存在するようになった。と同時にわたしはその言葉をなるべく使わないようになった。流行は激流に乗ってしまうと跡形もなくなるパターンをあらゆる社会現象でみたことがあるから、本能的に飲み込まれないようにしたのだと思う。

0から生み出されたものではなく、既にこの世に在るものでやる。

わたしたちの場合は、キモノを解き、おりがみの折り方みたいな衣服を作り方を生み出して、sanakaの衣服に変換していく。がふさんの場合は、古物のもつ情報を感覚的に捉えて、がふさんの空間に編集していく。それなのに地球の質量(mass)は変化していない。

そんなことをいっていると、がふさんが「アンチマス」って言った。地球の質量を変えずに表現する人たちのことを反質量(アンチマス)派と呼ぶみたいなことだ!といって面白がった。半分冗談くらいな温度で、がふさんの言語感覚はユニークな編集で愉しい。

アンチマス派の展示「エキゾチックジャパン」と書くと急に仰々しいので、もうおしまい!展示もきょうのお昼まで、おしまい!

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